ポルトガル一日目の災難

梅子

2011年12月12日 10:34




忘れていた訳ではないのですが.....。

どこまで、書いたんでしたっけ。
そうそう、モロッコをなんとか脱出して、ポルトガルに入ったとたん、
腹を壊したとこでした。
この旅の話、もうすぐ完結です。
これまでのお話は、カテゴリー、「世界あちこち迷子日記」にあります。
よかったら、読んでください。




この路地の先に....その35



ほんのちょっと、アフリカ大陸に自分の足跡を付けて帰るつもりだったのが、
ひょんな事から、モロッコへ行く事になり、それも1日、2日ぐらいのつもりが
一週間も費やしてしまった。

本当は、ゆっくり列車でアンダルシアを旅しながら、ポルトガルに入るつもりだったけど、
そんなわけで、時間がなくなり、大急ぎでマドリッドから、リスボンに飛ぶはめになってしまったのは
ちょっと残念だった。

まあ、それでも、無事にリスボン入りし、適当な宿を探す事ができた。
荷物を置いたら、街をぶらっとしてみようと、宿を出た。

とにかくリスボンは坂の多い街だ。

このリスボンの写真はトリップアドバイザーから無料提供されています

しばらく歩いていると、急にお腹が痛くなった。

なんとか、トイレを発見し駆け込んだ。

なんか悪いもん食べたっけ、などど考えながら、苦しんでいると
誰かが、ドアをどんどん叩く。

使用中という事で、叩き返したいのだが、ドアは手が届かない所にあった。

すると、おばさんが何か怒鳴っている。

「入ってます」ってポルトガル語なんて知るわけもなく、仕方ないので
日本語で「入ってます!!」って、言ったけど、おばさんの声は、ますます大きくなるばかりだ。
「入ってますってば。お腹が痛いんです!」って言っても、どんどんドアを叩くおばさん。

まだ、出たくなかったけど、しかなくドアを開けると、おばさんに睨まれた。
そんな事言ったって、お腹の具合が悪かったんだもん。
そんなのは、世界共通でしょうよ。でも、おばさんも、我慢の限界だったのかな。


モロッコでは、日本の学校で習った、
「食事の前には、石けんで手を洗いましょう」なんて事が、ばからしく思えるほど、
衛生的って言葉からは、かけ離れていた。

しかし、人間というもは、環境に適応するように出来ているのだ。

どちらかというと、潔癖性に近い友達。
常に、便座シートや、除菌ティッシュを持ち歩いていた彼女だが、
モロッコでの旅後半では、すぐ近くに、家畜のフンがある所に座っていても平気そうだった。

生水はさすがに飲まなかったが、屋台のカタツムリ料理や、怪しげな物も食べたくなくても、
勧められれば断れず、ちょっと不安になりながらも食べたのだが、モロッコでお腹を壊す事は一度もなかった。

ところが、ヨーロッパに戻ったとたんこんな事になったのは、一気に気が緩んだせいだろうか。

その日は、もうおとなしく宿に帰ったが、お腹の調子は治らず、
早々にベッドへ入った。
私のポルトガル1日目は、
トイレと仲良くなっただけで終わったのであった。

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