旅行記最終回
この路地の先に.....その40
日本に帰った私には、ひとつ、困った事が。それは、あの、掌に書いてもらったヘンナだ。
日本で、これが掌にあったら、かなり奇妙だ。なんか、悪い病気と思われそう。
とにかく、早く消えてくれる事を願いながら、しばらくは、なるべく、手を見せない様に気をつけた。
がむしゃらに仕事をして、お金が溜まったら、また、旅に出る。
お嫁に行けそうもないし、こんな人生もいいかと思っていたのだが、数年後、縁あって、旅好きの主人と結婚する事に。
スペイン旅行から帰ってきた時は、どんなに父に怒られるかと思っていたが、
怒りと心配を通り越して、怒られる事はなかった。
ただ、もう、どこかで、死んでいると半分諦めていたと聞かされて、胸が痛かった。
結納の日、そんな父が、主人に言っている言葉が耳に入った。
「あの子は、新婚旅行で、わけのわからん所に行こうと言いだすかもしれんけど、絶対言う事聞いたらいかんよ!」
。
。
。
それから数ヶ月後
意気揚々と古代遺跡、テオティワカンのピラミッドの階段を登る私の後ろには、
口に合わないメキシコ料理でお腹を壊して、悲壮な表情で必死に付いて来ている夫がいた。
~ 完 ~
やっと、完結いたしました。
ともかく、大昔のお話で、中々進まない旅行記でしたが、楽しみにして頂いていた方もいらっしゃって、本当にありがとうございました。これを書く事で、また、旅行に行った気分になれて、楽しかったです。
また、いつか、どこかの国の楽しい旅のエピソード書けたらいいなと思います。
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